「国産牛」と「和牛」について、あまりにも質問のメールが多いので、まとめてお答えしまーす。確かにこれ、紛らわしいんだよね。まっかせなさーい!噛んで砕いて丁寧にわかりやすく教えちゃるけんねー。おら、いくどー!
■国産牛
最近はJビーフとも呼ばれているのはこれ。一定期間(輸入されてから3ヵ月間)以上日本国内で飼育されていればどんな牛であろうと国産牛と称される。日本で生まれた牛とは限らない。外来種(ホルスタインなど)でも日本で3ヶ月以上育てば国産牛。 よく勘違いされるが「国産牛」=「和牛」では決してない。「国産牛」∋「和牛」だ けど「国産牛」≠「和牛」なのだ。たしかに「和牛」も国産ではあるが和牛ならきちんと「和牛」と表示するはずで、「和牛」を自ら品質の劣る「国産牛」とわざわざ表示することは常識的に考えて、まずあり得ない。一般に「国産牛」と表示されているものは、日本で3ヶ月以上育された「和牛」以外の牛のこと、と考えて間違いはない。(一部悪質なスーパーなどでは「○○黒牛」などと和牛に見まがう表示をして、隅っこに小さい文字で「国産牛」と記載されていたりする。紛らわしいっちゅーねん!)
■和牛
明治、大正時代に、日本の在来種をもとに、交配を繰り返して、日本人の嗜好や日本の風土に合うように改良されたもので、現在、黒毛和種、褐色和種、日本短各種、無角和種の4種類しかいない。その他の品種を和牛と称する事は法律で禁止されている。
黒毛和種・・・ 日本の和牛の90%以上を占める。 松阪、近江、米沢、神戸など、有名な銘柄牛はほとんど黒毛和種。肉質はきめが細かく柔らかく、風味も絶品で、日本が世界に誇る牛肉の王者。商談に来日した外国の食肉業者がお土産に和牛を買って帰るほど。ちなみに同じ黒毛和種でも近江系の牛は、『資質系』(肉質はいいんだけど、身体が小さくて、増体(育ち方)も悪く、神経質で飼いにくいタイプ)、九州系の牛は『増体系』(大きく育って飼いやすいんだけど、肉質はイマイチ不安定なタイプ)の血統を持つ牛が多い。
褐毛和種・・・ 主に熊本県と高知県で飼育されている。起源は韓牛で、熊本県ではデボン種、シンメンタール種との交配、高知県では韓牛との純粋交配(一時シンメンタール種も導入)され、それぞれ「肥後牛」「土佐赤牛」として定着した。、体が大きく育ちも良い品種で、どとらかと言えば高知産の方が熊本産よりお尻が大きく短躯。
日本短角種・・ 手間がかからず成長が早い品種で、主に東北地方で飼育されている。在来の南部牛にショートホーン種を交配して作られ、頑健な体質で寒冷地でも粗飼料で丈夫に育つ。肉質では黒毛和種に劣るが、低コストで生産ができるのが特徴。
無角和種・・・山口県萩市を中心にした狭い地域で飼育されている。従来の黒毛和種にアンガス種を交配して作られた。 成長が早く歩留まりが良い品種。
おわかりいただけました?要するに「和牛」と「国産牛」の関係は、このよーになってるワケです。

「国産牛」と「和牛」の違いがわかったところで、「和牛」以外の「国産牛」、すなわち日本で生産された「和牛」以外の食肉用の牛(普通「国産牛」とか「Jビーフ」と表示されているものは、ほぼ100%これのこと/上の図の青色部分)についても、お勉強しましょうねー。
普通「国産牛」(Jビーフ)と呼ばれる牛は、次のような品種の牛です。
■乳用種
本来、乳用種は牛乳生産を目的に飼育されているのだが、搾乳を終えた老廃牛は主に加工用牛肉として利用されている。(日本で発見されたBSEの牛はすべてこの老廃牛。元来和牛には肉骨粉のような濃厚飼料は与えない。和牛は長期肥育するため、肉骨粉のような濃厚飼料を与えると、その後の食欲がなくなって、かえって体重が減少したり発育に悪影響があるため。短期飼育で牛乳をたくさん搾りたい乳牛には以前肉骨粉を餌として与えていた例もあるようです)
また雄牛は、肉質向上のため適当な時期に去勢され(業界用語で去勢牛のことを“ヌキ”と言う。生々しい…)17〜20ヶ月ほど肥育して食肉用に使われる。最近では雌の未経産牛(業界用語で“ウマズ”と言う)も肉牛として流通している。同じ乳用種でも、「去勢牛」や「未経産牛」の方が「老廃牛」より評価は高い。国内生産牛肉の約55%を占めているのが実は乳用種で、そのほとんどがホルスタイン種。乳脂肪率の高いジャージー種や、マリーグレイ種やガンジー種も若干飼育されている。赤身の産肉量が多く安価なので「お手頃なヘルシーミート」とゆーのがウリなんだけど、「和牛」に比べればその品質は雲泥の差。比較にならない。
■外国産肉専用種
アメリカやヨーロッパ、オーストラリアで肉専用種として有名なヘレフォード種やアンガス種が、北海道や東北の一部で飼育されている。「和牛には遠く及ばないが、一般的な乳用種よりは肉質はいい」というのが大方の評価。全体的なシェアは極めて低い。
■交雑種
生産コストの引き下げ、肉質の向上を目的に「和牛」と「乳用種」や「外国産肉専用種」を交配させた品種。 その大半はF1と呼ばれる一代交配種。価格的にも「和牛」と「乳用種」や「外国産肉専用種」の中間的評価。最近かなりシェアアップしている。
それでは、まとめましょう!
一般的に肉質評価の高い品種を順に上から並べると、こーなります。
(その品種の代表的な銘柄牛を例に上げました。同品種の銘柄牛の評価については順不同です)
★和牛(黒毛和種)
松阪牛(三重県)近江牛、神戸牛(兵庫県)米沢牛(山形県)讃岐牛(香川県)
★和牛(褐毛和種)
土佐和牛(高知県)肥後牛(熊本県)
※肥後牛には黒毛和種のものも含まれます。
★和牛(無角和種)
無角和牛肉(山口県)
★和牛(日本短角種)
あおもり十和田牛(青森県)八甲田牛(青森県)
一般に、肉質は雌の未経産牛が良い、とされているが、僕は経験上「和牛の場合、あながちそーとも言い切れない」と思っているので、ここでは雌雄差は問題にしないことにする。日本短角種は他の三品種より少し評価が低いが、それ以外は、もう「好み」の問題だと思う。無角和種は非常に珍しいので、「幻の牛」として一部に熱狂的なファンもいるようだ。
★交雑種(外国産肉専用種×和牛)
わっかない牛(北海道)大雪アンガス牛(北海道)十勝めむろ牛(北海道)
★交雑種(乳用種×和牛)
霜降高原牛(栃木県)とやま牛(富山県)糸島牛(福岡県)作州牛(岡山県)
★外国産肉専用種
採算性が低く、試験的飼育がほとんど。
現在では経営的飼育はほとんど行われていない。
★乳用種(去勢牛) ★乳用種(未経産牛)
宮崎ハーブ牛(宮崎県) 未経産牛だけを品種規定している銘柄牛は
豊浦牛(新潟県) 見つかりませんでした。
ここは意見の分かれるところ。一般的には「去勢牛は味が濃く、未経産牛は柔らかく肉色がいい」とされている。一概には判断しきれないので、ここでは同ランク評価とする。
★乳用種(老廃牛)
品種規定に、わざわざ「老廃牛」って書いているブランドはありません。(当たり前)ほとんどが加工食品に使われているようです。
ただ、品種が単に「乳用種」としか規定されていないものや、「県内産の肉牛は品種にかかわらず○○牛と称する」みたいな規定のブランドには、含まれている可能性は十分考えられる、と思います。
…おおまかに言って、そんなとこですねー。もちろん牛には個体差があって、交雑種(外国産肉専用種×和牛)の低ランクのものと交雑種(乳用種×和牛)の最高ランクのものなら評価が逆になることもありますし、上位三品種の和牛についてはほとんど品質差はありませんが、こーゆー基準で判断すれば、まず間違いはないでしょう。
あーしんど…。
ご理解いただけましたか?
ここまで読んで、それでも「国産牛」と「和牛」の関係について「まだわからない…」とゆー人は、個別にメールください。こーなったら、理解できるまで、とことんお付き合いさせていただきますよー!
(いっそのこと有料サービスにしたろか?/笑) |