一つ目は、その安全性に自信が持てることです。
香川県って小さいんだよね。高松からだと、車で1時間半も走れば、県内どこにでも行けちゃうんだもんね。これなら僕が、いくら忙しくても(貧乏暇無し?)生産肥育農家まで足を運べるでしょ?
普段から、牛飼いのおっちゃんたち(おばちゃんもいます。以下略)と仲良くさせてもってると、『この仔牛は餌ようけ食べて元気なんじゃ』とか、『○○さんとこの畑でとれた肥料食べさせしたら、急に肥えたがー』とか、『△△県の●●さんからこうてきた牛じゃ』とか『この牛はストレスがたまっとって、ちょっと元気ないのー』とかゆーのも、聞かせてもらえるワケです。
最近の流通事情から考えると、どこのおっちゃんがどーゆー素性の牛を、どんな環境で、何を食わして育てたのかってことを正確に把握できるってことは、僕にとって、すごくありがたいことなのです。(詳しくは"流通ってどないやねん"をどうぞ)
で、僕もおっちゃんたちに、 『こないだのあの牛、身がしまってて、ええ感じやったわー』とか、『リンパ腺が腫れてたよ。風邪ひかしたん?』とか、『腕にシコリがあったよ。敷藁がかたいんちゃうん?』とか、情報をフィードバックしてあげると、おっちゃんたちも、 『うーん、餌が合わんかったんやろか?』とか、『ほな今度は、牛舎をもっと風通しよくしてみよか?』とゆーふーに、工夫するわけです。
ね、ちょっとスゴイでしょ?
というサイクルの、ソクラテスもびっくりの仮説演繹法で、よりよい牛が 育っていく仕組みなのです。
なかには、すごく勉強熱心なおっちゃんもいて、牛舎や餌や井戸水を、有効微生物群で活性処理してみたり、自分とこの牛の堆肥を知り合いの農家にわけて、それで作物を作ってもらって、餌に利用したり(プチ食物連鎖ですね)してる人もいます。 ほんまもう、頭が下がる思いです。
讃岐牛なら、エリアもコンパクトだし、生産量も少ないし、コネクションを使えば、僕一人でも、生産から流通、消費に至るまで、全部、目を光らせることができるぞ!って思うのです。
二つ目は、値ごろ感ですね。
和牛っていうのは、現在日本に、4種類しかありません。 そのうち約90%が『黒毛和種』ってヤツで、神戸ビーフも松阪牛も、もちろん讃岐牛も、同じ『黒毛和種』なわけです。
讃岐牛の認定は、香川県内で飼育された黒毛和種で、牛肉枝肉取引規格で、A5、A4、B5、B4相当のものってなってます。これは数ある銘柄牛のなかでも、神戸ビーフや松阪牛に次ぐ厳しい規格なのです。
肉屋の僕が言うのも何ですが、同じ『黒毛和種』で、このくらいのレベルになると、プロでも、目隠しテストされたら、銘柄まで区別できないんじゃないの?と思うのです。(詳しくは"紛らわしいぞ!銘柄牛"をどうぞ)
とにかく讃岐牛は、牛肉として(意外にも?)かなりスバラシイ実力を持っているということなのです。にもかかわらず、それほど高くないのはなぜか?
おおまかに言えば、生産量が少なくて、メジャーになりきれないからでしょう。
同じ品質の商品でも、マスの流通に耐えうるだけの数がそろわなきゃ、メジャーにはなれませんよね?で、一般消費者は、やっぱり同じ品質の商品なら、メジャーブランドを好みますから(御歳暮や御中元には、同じ品物でも、スーパーやコンビニより百貨店から送りたいって気持ちあるでしょ?)有名ブランドは高くなるわけです。
それはそれで、僕は認めてるワケで、メジャーブランドを維持していくのも、大変なことだと思います。
でも、普段生活の中で食べるのには、やっぱり高すぎますよねー。毎日、ロマネコンティや、ドンぺり飲めませんもん。チリ産や、ユーゴ産でも、捜せば、かなり美味しくて、結構安いワインってあるし、ブランドや、グルメ本に頼って、頭でっかちになってるエエかっこしぃなんかより、そっちの方がイケてるやん、って思うのです。(ビンボー人の負け惜しみなんやろか?)
コストパフォーマンスって言葉があります。この値段で、あの超有名なブランド牛肉と、ほとんどかわらないのなら(僕はむしろ、ごっつ霜降りのギトギトした牛肉より美味しいんじゃないか?とさえ思っています。詳しくは"純粋霜降批判"をどうぞ)、讃岐牛は、庶民のテーブルミートとして、月に一度くらいは、十分活躍できるんじゃないか?と思うのです。(ホントは、もっと活躍してほしいんですけど…) |