NOVA破綻について「何かコメントしろ。」というリクエストがあったので、めんどくせー、と思いつつも、ちょっと長文。@@さん、リクエストに応えるから、次回ようけ買い物してください。(笑。)
駅前やお茶の間で留学したつもりになっても英語なんかしゃべるようにならねーよっ!てのが僕の基本的な考え方である。
専門分野の特別な単語や言い回しは別にして、日常英会話の習得に一番効果的だと思うのは生活の中で体得していくことだと思う。経験から言えば、一ヶ月ぐらい英語圏で暮らし、毎日現地人相手に買い物したり食事に出かけたり質問したり友人を作ったりしてれば、だいたいの日常英会話はそれなりにわかるようになるもんよ。
マジメに英会話を習得したいのなら NOVAなんかに行っちゃダメ。何十万もレッスンチケットを前払いなんてトンデモない。なぜか?わはは、最近ナンチャッテWebコンサルでちょこちょこ小遣い稼ぎをしてるモリヤマが説明しましょう。じゃじゃーん!“サルでもわかる「買っては行けない」NOVAのチケット講座”(^^;)
まずね、あれだけ規模が大きくなれば、レベルの高い授業が受けられるワケないのである。 NOVAのように1000店舗近くもあれば講師の数だけでも数千人、そんなにたくさんレベルの高い外国人講師が日本にいるワケない。どう考えてもちょっと日本に来てアルバイト感覚でやってる講師がほとんどでしょ?NOVAには英語だけじゃなくフランス語やドイツ語や、とにかく様々な外国語コースもある。いったいどんな基準でそんなに多くの講師を集めてたのか?まともな 講師研修なんてたぶんやってない(つうかやれへん)はず。
さらに英語が母国語の国からやってきたといっても(僕が知る限りでも)、オーストラリア人の発音は独特だし、パトワ(ジャマイカ訛り)も強烈だし、アメリカでもオハイオやテキサスの英語は何を言ってるのかすらわからない。加えてグループレッスンで「いつでも受講可能」となれば、その低レベルの様々な癖のある講師陣を、生徒の習熟度に合わせてグルーピングするなんて(グループレッスンというのは、ある程度同じレベルの生徒が集まらないとまともなレッスンにならない)、ほぼ不可能でしょ? 「安かろう悪かろう」の杜撰な授業になって当たり前。
国内で本気で英会話を習得したいなら、少々高くついても指導技術レベルの高い講師に個人レッスンしてもらうか、オープンカレッジでキツイ授業をこなした方が得策だよ。
えーっと、ここまでが簡単に「商品の粗悪さ」について。続いて「ビジネスとしての危うさ」について(笑。)
通常ビジネスは、まずモノやサービスを仕入れて。それに何らかの付加価値をつけて売って売掛金を回収する。つまり先にお金を払って、後からお金が入ってくる。普通ビジネスは仕入れが先に発生するから、規模が大きくなるとそれだけ運転資金がないと回っていかない。当然の事ながら規模が大きくなればなるほど資金繰りが困難になっていくのが通常のビジネスの仕組みなのね。 だから、マジメにやってりゃ無茶な拡大路線は取れないし、クオリティを維持しながらビジネスを継続するには、顧客のニーズを裏切らないでコツコツ地道にやるのが正攻法なんよ。
ところが NOVAのような前払いチケットというビジネスモデルは、ユーザーひとり何十万というお金が先に入ってくる。本来先に支払うはずの仕入れ(講師の給料や広告宣伝費)は後でいいシステムだから、チケット売上が上がっていくにつれ、見かけ上どんどんお金が入ってくる。
ただし、この最初に入ってきたお金はあくまで前受金で「預かったお金」で、入金された時点では「売上」ではない。レッスンを実施して初めて売上として計上される、いわば借金のようなモノ。バランスシートでいえば「負債の部」に計上されるべきモノ。だってそうでしょう?入金はされても対価のサービスは提供していないんだから。ここを猿橋社長は全部「売上」と思い込んでしまった。先払いシステムというビジネスが陥りやすい典型的な失敗ね。
なんにもやってないのに目の前に湯水のように湧いてくるお金を「預かったお金」という意識が希薄な経営者は、事業拡大にどんどん投資してしまう。仕入れも営業費も人件費も後払いだから、チケット販売が伸びてるうちは、先にお金が入ってくるからいくらでもお金が回る。
どんな事業には寿命はある。マーケットが限られ、競合も出てくると必ず売上が頭打ちになる局面が訪れる。先払い入金でイケイケで事業拡大してきた企業は構造上「売上減」に非常に脆弱なのね。入金(=見かけ上の売上)に目がくらみ、前受金(=借金)返済やサービス提供を後回しでも、なんとか資金が回ってるように一見見えるから。後から提供しなければいけない仕入れ代金や営業費や人件費のために備蓄しておかなければいけない資金にまでドンブリ感情で手をつけてたから、いったん売上減になるとキャッシュがショートしてあっという間に資金繰りが出来なくなってしまう。考え無しでイケイケで事業拡大してた企業ほど、一旦売上減になったときのダメージは大きい。相当危なっかしい バイシクル操業ですわよ。
講師への賃金未払いや、レッスン予約できないという問題は、すべて本来先にやっておくべき事を後回しにして、見かけ上の利益を先に使い切ってしまったから。さらに言えば、前払いチケットを使わないで捨ててくれたほうが利益は上がる仕組みだから、あえてそれを放置した疑いが濃い。前払い金だけ頂いて、レッスンを受けず辞めてくれるユーザーが、 NOVAにとって一番オイシイんだから。 だって利益率ほぼ100%だもんねー。
前受金はストック(貸借対照表)勘定、売上はフロー(損益計算書)勘定なんだけど、結局、 NOVAの経営者はフローとストックをごっちゃにしていたということ。根本的な破綻原因はそれだけと言っていい。「奢って豪華な社長室」とか「ワンマン体制で会社を私物化」とかは、些細な抹消の顕在化であって、本質的な原因ではない。 豪華な社長室を作ろうが会社を私物化しようが、健全に成長してる企業はごまんとあるワケで、そのへんのことを明言・言及する政治家やコメンテーターは僕の知る限り誰もいない。ようはビジネスの仕組みがまるっきり判ってない連中がビジネスについて感情論であーやこーや外野から好き勝手言うてるだけなんよ。わはは、あいつらが個人企業でビジネスしても、きっとろくな事になんないよ。
前払いシステムのビジネスにはこうした不健康になりやすい構造的な欠陥がある。つまり、よほどしっかりした経営者でなければマネジメントが難しいのね。
そーゆービジネスモデルに、十万も百万も前払いしちゃうのは危険なのねー。リスク多すぎですよ。お気の毒なことに NOVAうさぎにすっかり騙されてたのねぇ。(笑。)僕はリテラシーは個人責任であるという主義だから、気の毒だとは思うけど、それを税金で助けるというのは間違いかと。たかだか趣味の英会話教室ごときでそんなんいちいち税金で助けるんなら、明らかに農政の怠慢によるBSE問題でトンデモない借金を背負い込まされた僕をなんとかしてくれ、ちゅうねん。(あれに関しては精肉店側にはこれっぽっちも責任はないですよ?)
きっと高級エステとかアスレティックジムとか会員制ゴルフ場とかにも同じような、第二、第三の NOVAが必ず出てくるよ。基本的に全部同じビジネスモデルだから。 リターンを約束して前受金を集め、なんだかんだ言って対価を支払わないのは詐欺ですがな。ま、ハイリスク・ハイリターンですけん、自己責任で好きなようにやればええんですが。それで満足してるヒトはそれでええと思うし。でも僕は自己責任でNOVAで何十万も前払いチケット買うて、あほらしーレッスンを受けようとは思わんわなー。100万単位でNOVAに払う金があれば何ヶ月も現地でホームステイできると思うんですケド? |