夜中に小腹がすいたので、ちょうどヨメから今月分の小遣いをもらったところだし、「たまには軽 ― く 2,3貫つまみに行きますか。」って、近所の寿司屋にひとりで出かけたのだが。
カウンター席に案内されたんだけど、隣のオヤジはもうあからさまに「や」のつく自由業。指輪とか時計とかセカンドバックとかスーツとか、とにかくアッチ関係の方々の好きそうな金ピカ,ド派手ないでたちなんですわ。
連れてる女性も「いかにも」な感じ。会話の内容から推察するに仕事上がりのホステスさんらしー。二十歳そこそこの若い子なんだけど、そこはほら、「や」のつく自由業関係の方とも懇意におつき合いされてるうえに、お水系商売で鍛えられてるだけあって、同じ店のホステスさんに対する愚痴なんかも「ヤキ入れる」とか「上のもん連れて行く」とか「シバキ倒す」とか、かなりそっち系の方言を使われるようでして。( ^^;)
かの方面の方々は、幹部クラスになると羽振りもいいし、まぁ豪気というか「なめられてたまるかいっ!」っていうか、とにかくすっごく贅沢なもんをイッキにたくさん注文するようで、ウニ、トロ,イクラはいうに及ばず。アワビの角切り刺身とか、贅沢な具がぎっしり詰まった特製太巻き(彼の特注オーダーらしい)とか、ずらーっとカウンターに並んでる。
そんでね、連れのおねーちゃんにも注文を促すワケさ。
「なんでもええ。好きなもん頼めや。」
(>おぉ、さすが太っ腹。)
「んーとね、んじゃ、エビマヨ♪」
(>あららーっ!)
もっと他にないんかいっ!回転寿司やないんやからさー。そのナリで、さっきの会話で、さらに同伴してるのはそちらの豪気なオジサマではないか。しかも「エビマヨ♪」って音符つきで。(笑)
なんだかんだ言っても、二十歳そこそこの女の子だから、味の好みはまだまだお子ちゃまで、きっとエビマヨが大好きなんだろう。こんがり炙った煮穴子や、いい塩梅に締めたヒカリモノなんかより、なにがなんでもだんぜんエビマヨ。(笑)
わかるけどさー、こーゆー場面でのミスマッチはハタ迷惑なんですよ。あからさまに表情を変えるわけにもいかず、あたしゃ顔がひきつってしまいますよっ。
そこそこ格式のある店である。当然の事ながら「エビマヨ」なる庶民的かつ邪道っぽいメニューなんかないにもかかわらず、ご主人は表情一つ変えず、裏の賄い用冷蔵庫からマヨネーズを取り出して、黙々と巻物を作っておりました。心中察して余りありますな。(こころなしかマヨネーズを取りに行くご主人の後ろ姿の肩が震えていたような…。)
きっと普段僕なんかが注文すると「お客さん、それはちょっと…。」とか言われるに違いない。オモシロイから試しに「あ、んじゃ僕もエビマヨ♪」なんて注文してみる勇気はさすがにありませんでしたけど、あは。 (←「あは」じゃない。) |